ある町会の役員さんと一緒に、外猫のトイレ作りをした。
その町内の公園では、1人のボランティアさんが10匹ほど猫の世話をしていて、避妊去勢手術はもちろん、毎日一生懸命に掃除もしている。
しかし、町会の役員会で、公園の砂場をいくら掃除をしても糞尿に触れた砂は不衛生だという意見があったために、公園の糞尿対策をすることになったという。

今までの公園内の清掃に加えて、新たな町会としての対策が3つ。
(1) 一旦、公園事務所に抗菌剤を散布してもらう。
(2) 夜に公園の砂場にブルーシートをかけ、朝になったら片づける。
(3) 公園の中に猫用のトイレを置く。
というわけで、外猫用のトイレ作りにお声がかかった次第。

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ホームセンターで買い揃えたトイレ用の材料。
ベランダボックスと石板、一般の猫用トイレ。
(石板は重石に使うのだけれど、長すぎたので、このあと、コンクリート煉瓦に変更)
ホームセンターの工作室を借り、ベランダボックスに猫の出入り口を開けるのだ。

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出入り口が空いたら、ベランダボックスにトイレを置き、砂を入れたら完成。
砂は、猫が心地よく掻くために鉱物性がおすすめ。

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猫が興味を持つように、「またたび液GOLD」をボックス内のトイレの縁にスプレーする。
もちろん、粉末またまたびをボックス内に軽く振りまいておくのでもOK。

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フタを閉め、南京錠をかけたら完成。

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これを、餌場の近くの茂みに設置。
様子を見て、猫に好評なら数をもう少し数を増やす予定だ。
今回は、公園に置くためにベランダボックスを使っているけど、子供が触ったりしなければ、100均のプランターに園芸用の土でもOK。

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近所の民家の敷地にも同じようなトイレを設置。
ベランダボックスが二つあるが、一つはトイレではなく、中に毛布が敷かれた外猫の寝床用。
冬に猫が車のに上るのを少しでも防ぐ意味もある。

こうやって協力してくれる近隣民家が増えると、地域での野良猫問題が解消していく。
実際、大阪市内のある小さな公園では、何10匹もの猫が繁殖していて、公園は糞のにおいがするし、民家の建ぺい部分でも糞をするので、猫が棒でたたかれたり石をぶつけられたりしていたが、ボランティアが公園にトイレを設置し、周辺住民にもお願いして民家のガレージなどにもトイレを設置したら、糞尿被害がほとんどなくなったという。そして、猫が虐められることもなくなったということだ。
共生の街づくりは、何より人間にとって快適な街づくりであるという良い例である。

今回、トイレを設置した町会ではまだまだ協力してくれる民家が少ないが、協力してくれる民家が増えて、共生の街づくりが進むことを心より祈っている。

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君もちゃんとトイレで用を済ますんだぞ♪

(そのうち続く)




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地域猫活動には、発達段階がある。
一覧にすると、こうなる。

【地域猫活動の発達段階】 
 (レベル1) 餌やり       ⇒ 猫に癒される。猫が可哀そう。猫が可愛い。
 (レベル2) TNR        ⇒ 繁殖防止に有効。
 (レベル3) 適正管理     ⇒ 繁殖防止、餌の後始末、周辺清掃
 (レベル4) 外形的地域猫  ⇒ 地域の了解(町会長のハンコ)
 (レベル5) 共生の街づくり  ⇒ 住民自治としての取り組み


レベル2のTNRとは、Trap(捕獲)、Neuter(避妊去勢手術)、Return(元に戻す)ことで、猫の繁殖防止に有効な手段だ。発情しないからサカリの鳴き声もなくなるし、メスを奪い合ってのオス猫同士のケンカもほとんどなくなる。オス猫の場合は、おしっこのにおいが相当に薄くなる。

レベル3の適正管理とは、TNRを施して繁殖を防止しても元の猫はそのままいるので、一代限りとなった猫がトラブルの原因とならないように、時間を決めて餌を与え、糞尿対策や周辺の清掃を行うことである。個人レベルの活動が多いが、いわゆる「餌やり」とは違う。「TNR+適正管理」で、公益性はグンと高くなる。

レベル4は、町会長の同意があれば助成金を出すという制度を行政が行っている場合によくある話で、とりあえず町会長のハンコをもらったけれど、猫の世話はもっぱらボランティアがやっているという場合が多い。外形的地域猫と呼ぶ所以である。

レベル5は、地域住民全体で一代限りとなった猫を見守りながら、猫との共生を図ろうというレベル。ここまできてやっと、本当の地域猫だ。地域猫を提唱した黒沢獣医のいう地域猫とは、こういう共生の街づくりを指しているのではないかと思っている。

ここで注意しなければならないことは、TNRと適正管理、そして次の段階である地域猫は、別物だということだ。近年は、地域猫に関する制度を持っている自治体も増えたが、多くの自治体の制度が、この3つを混同しているのではないかと思う。
自治体の制度の多くは、避妊去勢手術費用を補助するというものだけど、その費用扶助を受けるために町会長の同意書を必要とするところが多くある。

しかし、避妊去勢手術費用の扶助だけであれば、それはTNRの段階の話なので、町会長の同意など関係ない。手術して繁殖を防止するだけのことなのだから(実は捕獲して手術するのが大変なわけではあるけれど)。
実態として、単にTNRのための費用を補助するだけなのに、町会長のハンコがいるというのは、何かのトラブルや苦情が生じたときに、地域の同意を得ていると行政が言い訳をするためにやっていることではないかと疑ってしまう。

環境省のガイドラインでも、「地域住民の合意のもと、それぞれの地域の実情に合わせたルールづくりが必要」と書かれているけれど、それはあくまで、地域猫活動のこと。TNRや適正管理の話ではない。行政は、TNRと適正管理、地域猫の違いをきちんと見定め、それぞれの段階に対応した啓発周知と制度の実施をしてほしい。
最近、yahooのニュースでも話題になった東京都千代田区では、適正管理をよびかけながらも、TNRに特化した補助金制度を実施して成果をあげている。町会長のハンコは不要である。

町会長のハンコが必要な制度を実施している自治体であれば、きちんと街全体で取り組みができるように、行政も粘り強く、共生の街づくりへの働きかけを続けてほしい。地域猫という高次元で理想的な活動を求めるなら、行政にも相当な覚悟が必要だ。
ハンコがあれば助成します、というだけではあまりにも安易であり、無駄な労力を費やすだけだ。

(いつか続く)


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世の中には「猫ボラ」と呼ばれる人たちがいて、野良猫に餌をあげたり、繁殖防止のために猫に避妊妊去勢手術をしたり、捨てられた子猫を拾ってきて飼い主をみつけてあげたりと色々。
「猫ボラ」とは「猫ボランティア」の略称であって、この「猫ボラ」の人たちは、「餌やり」と混同されることを極端に嫌う。確かに、手術代も餌代も自費だし、猫そのものを保護してワクチンなどを施して譲渡活動をするというのは、経済的にも時間的にも大変な自己犠牲を払っておられるわけで、それだけでも尊敬に値する。

しかし、「餌やり」と「猫ボラ」との違いは、さらに、目的意識の差異によって区別されなければならないと最近思い始めている。

端的に言えば、「餌やり」と「猫ボランティア」の違いは、
「野良猫を可愛がるために餌を与えるのが餌やり」
「野良猫を管理するために餌を与えるのが猫ボラ」
なのだ。

ボランティアという限りは、社会貢献性、公益性の観点が不可欠だ。
ボランティア活動を奉仕活動というちょっと古い言葉に置き換えるなら、「猫に奉仕する」のではなくて、「社会に奉仕する」のでなければ、本来の意味の奉仕活動(ボランティア活動)とは世間は認めてくれない。社会貢献性、公益性の観点がないままに猫に奉仕している人は、単なる「猫好き」であり、単なる「餌やり」ということになる。

もちろん、猫ボラが猫を可愛がっていけないはずがない。
生命尊重の意識はそのまま、人と動物との共生社会の実現という高次の目的につながっていく。猫に餌を与えなくても、避妊去勢手術や保護・譲渡を中心に活動していて、猫ボラと呼ばれる人もいるだろう。
ひとまず猫ボラとは、「生命尊重の立場から、人と動物との共生社会の実現に向けて、野良猫を適正に管理し、トラブルを防止しながら、地域社会に貢献する人」という意味に押さえておこうと思う。

(いつか続く)



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