野良猫に餌を与えている人は多い。
どうして野良猫に餌を与えるのか。

猫が可愛いから。
お腹を空かせてかわいそうだから。
ご飯をあげないと死んじゃうから。

猫のことを思ってのことであろうけれど、「猫を管理するために餌を与える」のが猫ボランティアである。
猫を適正に管理する上で、猫に餌を与えることは次のような意味がある。

(1) 猫の匹数の確認
(2) 個体管理(1匹ずつの健康状態等)
(3) 捕獲・避妊去勢手術につなぐ
(4) ごみ漁りの被害を抑制
(5) 身勝手な餌やり行為の抑止

餌を与えないようにすれば、猫がどこかに行ってしまうという人がよくいるが、与えなくなれば猫の姿が見えなくなるだけだ。猫は縄張りからなかなか出ていかない生き物である。そして、ごみを漁ったり、餌場を求めてさらに縄張りを広げるなど被害が拡大する。

実例がある。特段、猫好きでもなんでもなかった人の話であるが、ごみの収集日になると野良猫がカラス除けネットの中にうまく入り込み、ごみの袋を引っ張りだしてごみを漁っていた。すると、そこにカラスがやってきてさらにごみの散乱が広がる、ということを何度も経験していたそうだ。仕方なく、野良猫に餌を与えたら猫がごみ漁りをしなくなり、カラスもこなくなったそうだ。今では、ごみ漁りをしていた猫たちに手術をして、猫の匹数も減っているという。

野良猫による被害をなくそうと思えば、猫に避妊去勢手術をして繁殖を防止しなければならないけれど、餌を与えなければ、猫の数の把握もできないし、捕獲して手術することもできない。1匹1匹の状態の確認もできないのである。
つまり、猫ボランティアは単に猫の空腹を満たすためだけでなく、猫の管理をするために餌を与えている。

また、誰かがきちんと猫に食事を与えなければ、単に猫が可愛そうだというだけで餌を与える人が必ず現れる。特に、地域の反対が強いとそういう人たちは隠れて餌を与えるので、猫の実態把握ができなくなる。

餌は、決まった場所で、できるだけ決まった時間に与えるようにする。容器に入れて餌を与え、食べ終わるまで猫の様子を見守ってほしい。その間に、集まってきた猫の数や健康状態などを把握する。これを「見守り給餌」と呼ぶ。大阪のボランティアさんの命名だ。食べ終わったあとは、もちろんきれいに後始末をする。
猫は、餌をくれる「人」と「場所」と「時間」を記憶する。猫をちきんと躾すれば、給餌の時間は15分くらいで終わってしまう。
未手術の猫がいたら、その時に捕獲する。猫の捕獲をする場合、普段から餌を与えている人がいると格段に捕獲の成功率が高くなる。

野良猫被害を抑制するために餌を与えるなというのは逆で、野良猫を管理するためには、餌を与えて猫の状態を把握しなければならない。猫の状態を把握することによって、避妊去勢手術もできるし、トイレのしつけもできるのだ。

適正な給餌は適正な猫の管理の基本だ。地域の方には、適正な管理のために餌を与えることが不可欠なことであることをわかってほしいし、ボランティアの方には、単に猫の空腹を満たすためではなく、猫を管理するために餌を与えているということを意識してほしい。

(いつか続く)


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