行政の広報紙に「地域の合意を得ないで野良猫に餌を与えないでください」と書かれてるのを見た。これは全くイケてない。普通に「野良猫に餌をやるな」というのとどこが違うだろう?

地域猫という言葉は、ここ10年くらいで急速に広まった。
しかし、地域猫という言葉を行政だけでなくボランティアも重宝したあまり、現在では逆に、「地域合意がない餌やりは違法だ」というような誤った理解を流布させてしまった感がある。
地域猫と呼ばれるためには地域合意が必要だけれども、かといって、地域猫でなければ野良猫に餌を与えていけないという決まりはない。

以前、地域猫の活動には発達段階があると書いた。
地域猫以前の個人的な活動として、適正管理活動がある。これは、結果を顧みない野放図な餌やり行為とは異なる。適正管理活動とは、猫に避妊去勢手術をしてその繁殖を防止し、適切に給餌をして糞尿等の対策を行うことであるが、清掃活動と同じく、地域の環境保全という公益にかなう側面を多くもっている。
適正管理をするのに地域合意が必要だというのは、個人で清掃活動をするのにも地域の合意が必要だというのに似ている。

公園や道路で猫に餌を与える人を「地域合意がないから」といって規制しても、自分の敷地の庭で野放図に餌を与えている人には全く規制が働かない。基本となるのは適正管理という考え方なのである。
その適正管理という考え方を街全体で共有して、「共生の街づくり」をめざすのが地域猫である。猫が地域に受け入れられるための活動とは、そのような、「共生の街づくり」をめざして働きかけていくことだ。「地域合意」は常に目指すべき方向性であるが、活動のための必須条件ではない。

間違ってならないのは、「地域合意」とは「餌やりの許可」のことではないということだ。
地域ぐるみで一緒になって取り組むということの合意である。
その取り組みは個人レベルでの適正管理の積み重ねなしには進まない。

(たぶん、また続く)


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